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2016/05/27

第3作目の予告

皆様、こんにちわ。ネモン℃の芳松です。

処女作のかさねに続き、とうかに関しても沢山の反響、誠にありがとうございました。
できるだけ、皆様に末永く愛される作品を生み出せればと考えておりますので、これからもよろしくお願いします。

本日は、3作目に関する告知をさせて頂こうと思います。
DLsiteさんをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、私の編集アップよりも先に吉宗さんからイラストを頂けたため、この機会に……と思い、“発売予告”と言うのをしてみました。
詳しくは、以下をご覧ください。

http://www.dlsite.com/maniax/announce/=/product_id/RJ178333.html

ギリギリまで調整をするため、頒布開始前々日まで体験版を出すことはできないと思いますが、あしからずご容赦くださいませ。

さて、それで新作ですが……恐らく、本ブログをお読み頂いている皆様には予想が付いていたと思います。
宿のお姉さんこと“みつな”の登場となりました。
彼女らしい、包容力たっぷりの内容になる予定です。
甘やかされたい方は、ぜひチェックしてください。


ちなみに、みつなには唯香さんに声を当てて頂きました。
かさね役の橘さんと同じく、PCゲームをメインに活躍されてらっしゃいますが、ご存じの方からすれば、メインどころの正統派美少女やロリ系の役柄を思い浮かべるかもしれません。
ですが、その演技の幅は非常に広く、みつなのような妙齢の女性にもバッチリとはまる引き出しを持ってらっしゃいます。
とは言え、近年ではそう言った役柄も増えてらっしゃるため、いまさら説明不要かもしれませんね。
ぜひ、頒布が始まった暁には、体験版でその艶やかな演技をご確認くださいませ。


また、今作では初めて私以外の人にシナリオテキストを書いて頂きました。
実は、みつなと言う人物の設定も、ほとんどその人にお任せしております。
私の書く内容とは少し毛色の違った内容になっておりますが、前2作をお聴き頂いた皆様には、その辺りも含めて楽しんでもらえればと思います。
ちなみに表記するペンネームに関して伺ったら「考えるのメンドイし、ナシでー」と言うスゴイご回答をいただきましたので、このまま表記しない方向にいたします(笑

発表まで、まだ少々お時間を頂戴しますが、ご期待くださいませ。
2016/05/23

山へ行こう 四(完)

「ごちそーさまでしたっ」
「いやぁー、メッチャうまかったなー。もうおなかパンパンや。かさちーから、もらいゲロしそー」
「わたし吐いてませんし、それちょっと食べ過ぎですよ!?」
「あははは、じょーだんじょーだん。軽い屈伸運動ができるくらいには、まだまだよゆーあるで」
「女の子が、明るく言って良い冗談じゃないと思うんですけど……」

ニコニコ笑顔のとうかと、嘆息するかさねという対照的な2人が、広げたお弁当を手分けして片付ける。

「いつもは洗い物に対して全然やる気を見せないのに、こう言う時は率先して動きますよね」
「うちも不思議なんやけど、なんでやろなー? 夏がそうさせるんかな?」
「もう秋ですけど……?」
「じゃーアレや。片付けの秋」
「……とうかちゃんから、ちゃんとした理由が返ってくると思ったわたしがバカでした」
「あははは、かさちーはアホやなー」
「とうかちゃんには言われたくないですっ」
「んむ、いちりある」
「自分で納得しちゃうんですか!?」

寝起き以外は基本的に笑顔を振りまいているとうかだが、どうすれば彼女が怒るのかは不明だ。
いや、そもそも怒るという感情を持っているのかどうかさえ怪しい。
……と、関節的とは言え『バカ』と言われたのにも関わらず、『一理ある』とうなずいてしまうとうかを見つつ、かさねは考えていた。

「ん、しょっ……はい、片付きました」

弁当箱を包んでいた風呂敷をキュッと締めてから、かさねは宣言する。

「この後、どうします? すぐに下山ですか?」
「いやいや、そんな急いだらもったいないやろ? もーちょいこの景色をたんのーせな」
「そーですね。せっかくですし」

2人はひときわ大きくそびえ立つ木に腰掛け、手前の花畑、そしてその奥に広がる森と、霞むほど遠くまで見える地上の様子を眺める。

「もー、この風景も見慣れたなぁ」
「そうですか? まだまだ新鮮な発見があって、わたしは好きですよ。これからの時期は紅葉がすっごい綺麗ですし、今日みたいな日なら……あ、ほら。向こうの街も見えますし」
「え、ほんま? どれどれ?」
「あそこですよ、あそこ」
「ん~……ダメや、わからん。ちょっとかさちー、うちの目玉と交換してくれへん?」
「しませんよ!? そんなすぐ諦めないでください、とーかちゃんっ。ほら、あそこですっ」
「うーん……?」
「んぇ?」

向きを真似ようと、かさねにほっぺたをピッタリくっつけて、指差す方角を見る。

「ん~……あっ、アレか? なんや、寝起きのうちみたいに薄ぼんやりと見えるわ」
「自覚があるなら、キッチリ目を覚ます努力をしてください……と言うか、そこまでしなきゃわからないんですか?」
「かさちーのほっぺはすっべすべやなぁー」
「んにゅ……し、質問に、みゅ……答えて、くりゃしゃい」

街の場所がわかって満足してしまったのか、風景そっちのけでとうかはスリスリと頬を押しつける。

「あはははは、喋り方変になってはるで?」
「とーかちゃんがさせてるんですっ!」
「まーまー。食後なんやから、イライラせんでゆっくりしよー」

パッと離れたとうかは、木の幹に背中を預け、目を閉じる。

「もう……自分勝手なんですから」
「“とうか”の“とう”は、自己中の“とう”やからな」
「全然関係ありませんよっ!?」
「ちなみにかさちーの“ちー”は、“血塗られし過去を持つ者”の略や」
「初耳ですし、そんな過去はありませんが!?」
「まぁ、全部ウソやからなー。あははー」
「…………」

アッサリ冗談と言う事を認められて、突っ込む気力をなくしたかさねは、とうかの隣に座る。

「はぁ、もう……」

その途端、サワサワサワ……と葉を揺らす風が、2人を優しく撫でていく。

「ん~……良い風や」
「ほんと……のどかですねぇ」
「都会の喧噪に疲れた身体には、染みるなぁ」
「わたし達、2人ともこの辺りから出たことありませんが……?」
「例えや、例え」
「は、はぁ」

そうだとしても、なぜそんな設定を選んだのか、かさねは理解に苦しんでいた。

「ん~……うん、よしっ!」

グッと伸びをしたと思ったら、とうかが元気よく声を出す。

「ほんじゃ、そろそろ―――」
「下ります?」
「寝よかー」
「ソッチですか……」

とうかにしては、珍しいくらいにやる気を感じたと思ったが、案の定だった。

「そもそも、とーかちゃんは運動が足りないからここへ来たんですよね? 食べてすぐ寝たら、牛になっちゃいますよ?」
「うち、お乳でーへんけど?」
「出たらビックリします……」
「あはは。まぁえーやんえーやん。昼寝したって、死ぬわけやないんやし」
「それはそうですが」
「だからほら、な? いっしょに寝よー」
「はぁ……はいはい、わかりました。ちょっとですよ?」

登山の疲労が溜まっている上に満腹になったため、正直言うと、かさねにも結構な睡魔が先ほどから押し寄せていた。

「くぅ…………」
「すぅ…………」

目を閉じ、身体中で自然を感じる。
その感覚に、なんとも言えない心地よさを覚えながら、しばし2人は夢の世界へと旅立った。

***

「あかん」
「すー……すぅ……」

少し肌寒さを感じて目を覚ますと。
空はこの世の終わりのように真っ赤に染まっており、同じくカラスも終焉を嘆くようにけたたましい鳴き声をあげていた。

「まさかこれが、血塗られし過去を持つ者……!?」

当然そんなわけはなく、単に夕方を迎えていただけだ。
ちなみに“血塗られし過去を持つ者”ことかさねはと言うと、そんな異名とは裏腹に穏やかな寝顔を浮かべつつ、グッスリと眠りこけていた。

「か、かさちー! 起きてや、かさちぃー!」
「ん、むにゃ……それはお砂糖じゃなくて、お塩ですよ……? ふふふ……」
「寝言でベタなボケゆーてはる!?」

この後、なかなか目覚めないかさねをなんとか起こし、真っ暗になる前になんとか下山を果たした。
……そして帰りの遅い2人には、みつなのお小言が待っているのだった。
(了)
2016/05/13

山へ行こう 参

―――と、そんなこんなで30分後。

「つきましたっ!」
「つ、つい……ゼヒュー、ハヒュー、ゼヒュー……つ、つつ、つ……………………ぱたり」
「あれ? とうかちゃん? とーかちゃんっ!?」

大して高くもない……と言うか、ほとんどの人がお遊び気分で登れる程度の山を、満身創痍で登頂するとうか。
普段の運動不足に加えて、お弁当の一件でやる気を失ったこと、それと全力でツッコミをしたことが響いているようだ。
虫の息、と言うよりは、馬の息とでも形容できるほどに呼吸が荒い。

「ゼー……ゼー……あ、あかん……うち、お花畑が見えてるで……?」
「落ち着いてください、とーかちゃん! それ、本物ですっ!」

この山の名物は、頂上に群生している一面の花畑だ。
と言うかそもそも、とうかは以前から何度も遊びがてらココへ来ているので、知らないはずはないのだが。

「あぁ……さくのんとウメさんが、手招きしてはるわ……これが、お迎えなんやな……」
「さくのさんもウメさんも、まだ生きてますよっ!?」
「はは……なんやねん、うち、2人に比べたら、せいぜい10分の1の年齢やで……?」
「そんな訳ないですし、サラッとさくのさんを激怒させそうなことを言わないでくださいっ!」
「ううぅ……さ、最期に、鶏の唐揚げが……食べ、たか、った……がくり」
「そんな脂っこい最期で良いんですか!?」
「すー……すー……」

中空へ伸ばしていた腕がパタリと落ち、息を引き取るかのようにしてとうかは眠りに落ちる。

「……え? あの、ちょっと。わたし、膝枕したまんまなんですけど」
「すー……ん、むにゃ……」
「わぁ…………本当に寝てますね」

あきれ果てながらも、かさねは背負った荷物から四角い包みと円柱形の容れ物を取り出す。

「せっかく頂上まで来たのに……とーかちゃん? 食べないんですか?」
「はむ……あむ……」
「って、着物をハムハムしないでくださいっ!」

寝ぼけているのか、はたまた起きてボケているだけなのか、とうかはかさねの袴を口に含む。

「もぉ……最期に食べたいって言ってた鶏の唐揚げも入ってるんですよ? いーんですか?」
「からあげっ!!」

その言葉に反応したとうかは、目をパッチリと開けながらガバッと起き上がる。
かさねの脳裏には、何日か前に見た朝の光景が映し出されていた。

「食べ物の事になると、いきなり元気になりますよね。とうかちゃんは……」
「あははー、しゃーないやん。花よりネギマやもん」
「ネギマじゃなくて、唐揚げですけど……?」
「鶏肉やもん、同じや同じー」
「本当、大雑把ですよね……」

嘆息しながらも、かさねは用意してきたお弁当の用意をする。
風呂敷をほどき、出てきたお重を開けると―――

「おぉー。なんや、けっこー豪勢やんっ! ご飯2種類とかゆーてたから、全然期待してへんかったのに」
「夕べと今朝の残り物で、誤魔化してますけどね。実際に作ったのは、唐揚げとこの炒め物だけです」
「いやいや、ぜんぜんイーカンジやないの。さすがかさちー! 主婦の知恵!」
「お母さんになった覚えはありませんっ」

しかし実際、そうは言ってもとうかの保護者的存在なのは否めなかったりする。
本来はみつながそう言う役割を担うところなのだが……。

「おかーさん、お茶ー」
「だから違いますって……はい、お茶とお手ふきです」

否定しつつも、ついついとうかのお願いを聞いてしまうかさね。
年下ながら、この面倒見の良さが母親らしさに繋がっているのだろう。

「なぁなぁ、はよ食べよー」

既に持参した箸を右手に持ち、とうかは準備万端でウズウズしている。

「はいはい。それじゃ、手を合わせてー」
「いただきますっ!」

そうして、太陽の下で摂る昼食が始まったのだった。
2016/05/02

山へ行こう 弐

「あかん、うちはここまでや。無念」
「まだ5分しか歩いてませんよ」

宿を出た2人は、鳥たちの鳴き声に送られながら山を目指していた……の、だが。

「山、遠すぎやで……向こうから近寄ってくれへんかな?」
「そこまでだらけてるから、身体が重くなるんじゃ……」
「もう、ずいぶん長いこと歩いてる気ーするわ。そろそろお昼ご飯やない?」
「だから、まだ5分しか経ってませんっ」

文句を言う割には足取りに疲れは見えず、スタスタと2人は歩いて行く。
なんだかんだ、外で遊び回ることもあるせいか、体力はそれなりにあるようだ。

「なーなー、おべんとーの中身、なに入れてくれたん?」
「はぁ、もう……ナイショです。いま言っちゃったら、後の楽しみがなくなっちゃいますから」
「えーやんえーやん。ちょっとくらい知ってた方が、やる気に繋がるかもしれへんで?」
「むぅ……それは確かに」

顎に手を当て、納得する様子を見せるかさね。

「では、そうですね……ふたつだけ、中身を教えましょう」
「おー、待ってましたーっ」

パチパチと手を叩いて、かさねをはやし立てるとうか。

「まず、ひとつめですが」

かさねなりの演出だろうか、そこで言葉を句切り、溜めを作る。

「ゴクリ…………」

それにまんまとハマったとうかは、唾を飲んでかさねの続く言葉を待っていた。

「………………ご飯です」
「ふつーやん!!」

珍しく、神妙な顔でボケたかさねに、鋭いツッコミを入れるとうか。

「それ、おべんとーに大体入れるヤツやん! むしろ入らないことないヤツやん!!」
「ふふん。慌てないでください、とーかちゃん」
「慌てないでって…………ハッ!? ま、まさかっ!」
「そう、言ったでしょう? わたしは『ふたつ』教えるって」
「おぉ……と、ゆーことは……!」

ご飯、と来たから、恐らくはそれにもの凄く合うオカズを教えてくれるのだろう。
ふたつめへの期待値が、とうかの中でグンッと上昇する。

「ふたつめ、ですが……」
「ゴクッ…………!」

そして、また先ほどと同じく、もったいぶって溜めを作るかさね。
そんな様子に、とうかも再び生唾を飲み込む。

「……………………」
「は、はよ。ふたつめは?」
「ふたつめは…………」

すぅっと息を吸い込んだかさねが、ハッキリと口にする。

「まぜご飯です」
「昨日の残りやん!!」
「山の幸がふんだんに入ってます」
「知ってるわ! 夕べ食うたし!」
「みつばを追加しましたよ?」
「ほぼ変わらんやん! ほんの少しシャキッとするだけやん!」

余りのズッコケ振りに、とうかはダルさも忘れて全力でツッコミを入れる。

「お気に召しませんでした?」
「召す召さへんの前に、まぜご飯で白ご飯は食えへんやろっ!」
「あはは、なにを言ってるんですかとーかちゃん。他にもオカズが入ってるに決まっているじゃないですかー」
「じゃあ、なんでソッチ言わへんの!?」
「ご飯が2種類もあるなんて、普段ないですから。やる気出るかなーって思ったんですけど……あれ? 出ません?」
「…………かさちー、それ本気でゆーてる?」
「? はい、わたしはとーかちゃんみたいに冗談は言いませんよ?」
「天然かいな……」

どうやら本気らしいかさねに、ガックリと肩を落とすとうか。
それとは対照的に、話している内に気分が高揚してきたのだろうか。かさねの足取りは軽い。

「あ、ほら。山への案内板ですよ。もーちょっとで登山道ですっ」
「あかん……さっきより足重くなってきたわ……」
「さぁさぁ、ここまで来たんですから行きましょうっ! たっぷり運動してから、頂上でお弁当を食べましょうねー」
「白ご飯とまぜご飯を?」
「ええ、もちろんっ」
「…………あかん」

お弁当の監修をしなかったことについて、心から後悔するとうかだった。
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